こんにちは、あくつです。
私は日々、多くの開業医の先生方と向き合っていますが、最近あるテーマについて耳にする機会が急増しています。
それが「2025年からのウェブアクセシビリティ義務化」についてです。
正直に言います。この件に関して、不安を煽って不要な機能を売りつけようとする制作業者の「汚いワナ」があまりに多く、私は今、本当に怒っています。
クリニックの経営を支える大切な資金を、嘘の情報で奪い取ろうとする連中を許すわけにはいきません。
今回は、ウェブアクセシビリティ義務化の「真実」と「対策」について、プロの視点から本音で語り尽くします。

ウェブアクセシビリティの「本当の意味」とは?
まず、ウェブアクセシビリティとは何かを整理しましょう。
簡単に言うと、ウェブサイト上「目が見えにくい」「耳が聞こえにくい」といった障害を持った方でもサイト内にある情報をしっかりと入手できるように設計・配慮しようという考え方のことです。
阿久津さん、法律で義務化されたのなら、今のホームページをすぐに対策しないとマズいんじゃないですか?
代表:阿久津そこが最大のワナなんです。法的に義務化されたのは『合理的配慮の提供』であって、特定の技術基準への完全準拠が法的な罰則付きで義務化されたわけではありません。
民間企業におけるウェブサイトのアクセシビリティ対応は、現時点ではあくまで「努力義務」という位置づけです。
しかし、業者はその曖昧な部分を巧みに突いて、「義務化されたから対策しないと一発アウトです!」と脅してくる実態があります。


業者が提案する「文字サイズボタン」は不要である
業者がよく提案してくるのが、「サイト上に文字のサイズを大中小に変えられるボタンを付ける」とか「背景の色を反転できるようにする」といった機能です。
これだけで数十万円の追加費用を請求する業者もいます。



私は断言します。これ、100%やらなくていいです。受注単価を上げるための業者の口実でしかありません。
えっ、でもそれがないと目が悪い方は困るんじゃないですか?
デジタル庁が発表している公式のガイドブックには、「サイト上で文字サイズや色を変えるボタンを個別に用意する必要はない」とはっきり明記されています。
実は、障害のある方や視力が弱い方は、すでに自分のパソコンやスマホ側で見やすく設定しているからです。
ブラウザの拡大機能や専用の読み上げソフト、OS側の色反転機能など、普段から使い慣れているデバイスの設定で閲覧する方が、ユーザーにとっても遥かに使いやすいのです。
サイト側に独自ボタンを付けるのは、利便性を無視した「業者の自己満足」に過ぎません。


デジタル庁の指針から読み解く「本当に守るべきマナー」
過剰な機能は不要ですが、情報を取得するのを妨げないための「最低限のマナー」は必要です。
デジタル庁のガイドラインを私が精査した中で、特にクリニックのサイトで気をつけるべきポイントを3つピックアップします。
- 動画の自動再生をさせない
- サイトを開いた瞬間に、爆音で紹介動画が流れるような設計は避けましょう。読み上げソフトを使っている方の邪魔になったり、パニックを招いたりする可能性があります。
- 1秒間に3回以上の激しい点滅をさせない
- 光過敏性発作を引き起こすリスクがある演出は、医療機関のサイトとしてあってはならないことです。
- 操作に制限時間を設けない
- これが最も重要です。ランディングページ(LP)や予約フォームで、「残り10分で枠が埋まります!」といったカウントダウンタイマーを出してユーザーを焦らせる手法です。
よく見かけますが、あれはアクセシビリティ的にも問題があるんですね?



はい。操作に時間がかかる方にとって、制限時間は情報を入手する壁になります。そもそもクリニックの予約で時間を競わせるなんて、信頼感を損なうだけです。今すぐやめるべきだと私は確信しています。


罰則の有無と「煽り営業」を見抜く力
多くの先生が心配されるのが「罰則」ですが、ウェブアクセシビリティの基準を満たしていないことに対する直接的な罰則は、現在のところ存在しません。
もちろん、不誠実な対応を続けて行政からの指導が入るリスクはゼロではありませんが、常識的な範囲で作られたサイトであれば、いきなり訴えられるようなことはまずありません。



先生方が本当に恐れるべきは、アクセシビリティよりも『医療広告ガイドライン』です。こちらには明確な罰則や是正命令があります。
制作業者は、なぜかガイドラインについては甘いくせに、アクセシビリティのような新しい「不安のタネ」を見つけると、鬼の首を取ったように騒ぎ立てます。
なぜ業者はそこまでアクセシビリティで煽ってくるんでしょうか?



理由はシンプルです。先生方が仕組みをよく知らないからです。知らないからこそ『義務化』と言われると信じてしまう。業者はその心理を完全に利用しています。
業者が煽ってきたら、まず「デジタル庁のガイドブックを読みましたが、サイト側でのボタン実装は不要と書いてありましたよ。あなたの提案はそれと矛盾しませんか?」と聞き返してみてください。


無料チェックツールに潜む「二段構えのワナ」
最近、ネット広告などで「あなたのサイトを無料で診断します」という案内が増えています。これも非常に危険なワナです。
無料で診断してくれるなら、とりあえず試してみようかなって思っちゃいますよね。



そこが彼らの狙いです。実はチェックツールで判別できるのはアクセシビリティ全体のわずか2〜3割程度。ツールの結果なんてほとんど当てにならないんです。
それなのに、ツールで出たよく分からない「エラー」を見せて、「このままでは法令違反です。今すぐ改修しましょう」と畳み掛けるのが彼らの黄金パターンです。
さらに悪質なのは、「名前、クリニック名、電話番号」の入力です。これは業者の間で「Webに詳しくなくて、不安に煽られやすい顧客リスト」として共有されます。
その後、別の業者から不動産投資などの迷惑電話がしつこくかかってくるようになる。これが無料ツールの本当の目的です。



先生方がそんな汚れ仕事のターゲットにされるのが本当に腹立たしい。だからこそ、安易に検索したり問い合わせたりしないでください。


誠実な業者を見極めるための基準
では、どのような業者を信じればいいのか。
私なりの判断基準は、「商談の最中にカウントダウンをしてくるかどうか」です。
- 「今月中に契約すれば対策費が半額です」
- 「法改正まであとわずか、今すぐやりましょう」
このように、時間的な余裕を奪って判断を急がせる業者は、まず間違いなく黄色信号です。


Web制作でも通販番組のようなカウントダウン営業があるんですね。



ありますよ。不安を煽るプロですから。ただし、実務上の期限、例えば『公開日に間に合わせるために原稿をください』という正当なスケジュール管理とは混同しないでください。
少しでも怪しい、何かおかしいと感じたら、一旦その場で決めるのをやめてください。「同期の先生に聞いてみます」と言って距離を置く。それだけで、ほとんどのワナは回避できます。
クリニックの「守る力」を最大化するために
今回の結論をまとめます。
- ウェブアクセシビリティの義務化に関しては、一旦何もしなくてオッケーです。
- 業者が言う「文字サイズ変更ボタン」などは不要です。
- 不安を煽る無料チェックツールに、個人情報を入力しないでください。


もちろん、私はウェブアクセシビリティを否定しているわけではありません。
読みやすいフォントサイズにする、背景色と文字色のコントラストをはっきりさせる。こうした「デザインの基本」としての配慮は、すべての患者さんのためになります。
もし、業者が「患者さんがより使いやすくするために、ここの文字をもっと見やすくしましょう」といった、前向きな提案をしてきたのであれば、それは耳を傾ける価値があるでしょう。
しかし、言葉で先生をコントロールしようとする業者はプロとして失格です。
先生方のクリニックが、不要なコストを削り、その分を本当に効果のある施策に使えるようになること。それが私の願いです。『守る力』を一緒に上げていきましょう。









