こんにちは、あくつです。
私は日々のクリニック支援において、先生方からウェブマーケティングに関するご相談を幅広くいただきます。
その中で特に多い質問の一つが、「Instagram(インスタ)運用って効果あるんですか」というものです。
私の答えは明確です。 「場合による」というのが、現実的かつ最も誠実な回答です。
多くのクリニックがインスタ運用を始めていますが、その背景には「手軽そうだから」「他のクリニックもやっているから」という、目的が明確ではない理由がほとんどです。
無料だからこそ始めやすいのかもしれませんが、目的が定まらないまま始める運用は、高い確率で失敗し、貴重なリソース(特に人件費)を無駄に浪費してしまいます。
この問題の核心は、クリニックのインスタ運用は集患において最優先ではないという、多くのクリニックが見落としている事実です。
この記事ではクリニック運用でよくある失敗を踏まえ、Instagramを何のために、どう活用すべきか、その費用対効果と正しい優先順位について、私の考えを徹底解説します。

目的不明確な「なんとなく投稿」が招く失敗の構造
私がクリニックのインスタ運用を見ていて、最も惜しいと感じるのが「なんとなく投稿してしまう」ことです。
これは、マーケティングではなく「作業」になっている状態です。
失敗の構図:作業化とアルゴリズムの無視
投稿が作業化してしまうとInstagramのアルゴリズムや、本来ターゲットにすべき患者さんのニーズを全く無視した形になってしまいます。
その結果、以下のような非効率な事態が起こります。
代表:阿久津誰をフォローすればいいのかと結構曖昧になって、同業同士でフォローフォロワーになる。医療機関が患者さん向けに発信したいのでしょうけど、クリニック同士でフォローフォロワーし合って変な感じになってるっていう。何の目的で始めたのかっていうところが全然明確ではないとそうなっちゃいます。
せっかく時間をかけて作った投稿が、本来の患者さんに届かず同業者に見られるだけになり、何のための発信なのか分からなくなります。
これは、「いいね」の数が増えても集患に全く貢献しないという時間と人件費の無駄遣いです。
機会損失と効果測定の「ブラックボックス」問題
運用上の問題も山積みです。
特に、患者さんとのコミュニケーションにおいて致命的な欠陥を生みます。
- DM対応の遅延
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インスタ担当者が休みの日に他の人がDMを開けられず、受診意欲の高い患者さんからの問い合わせがきてもすぐに対応できないために機会損失してしまうことがあります。
スピードが命の医療機関において、対応の遅延は信頼の喪失に直結します。
- 効果測定の難しさ
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患者さんが「インスタを見て来ました」と申告してくれるとは限りません。そのため、インスタがどれだけ来院やLINE登録に繋がったかという計測が難しいのが現状です。
飲食店のように「インスタをフォローするとサービスがつきますよ」といった特典をクリニックで導入するのは倫理的にも難しく、効果測定の難しさからインスタ運用は「費用対効果が測れないブラックボックス」になりがちです。
投稿内容の「微妙な例」:患者さんの検索意図とのズレ
投稿内容にも、患者さんの検索意図とずれているものが見受けられます。



よく見かけて惜しいなと思うのは病気の説明から入っちゃう。
『なんたら皮膚炎』っていうタイトルよりも『ブツブツがある』とか『赤みがある方』っていうのが1枚目だったら2枚目にスライドしやすいのかなとは思います。
患者さんは自分が抱えている「症状」で悩んでおり、いきなり「病名」から入る情報は、自分ごととして捉えにくいものです。
共感を生みスライドを促すためには、患者さんの切実な悩みに寄り添った言葉を選ぶ必要があります。


集患の最優先は「Google」である、絶対的な理由
そもそも論として、クリニックの集患戦略を立てる際、Instagramは優先度が高くありません。
なぜなら、患者さんの検索行動の出発点が違うからです。
患者さんが体調が悪くなった時、どういう検索行動をするでしょうか?
Googleとかで発熱なんとかみたいな感じで調べると思います。



ですよね。Instagram開いて風邪って調べないと思うんですよね。
受信感度の高い顕在層を狙う
集患を目的とするなら、患者さんが「今すぐクリニックに行きたい」という受信感度の高いタイミング(顕在層)で情報を提供することが最優先です。
Google検索の対策(SEOやリスティング広告)が最優先になります。
特にリスティング広告は、検索をした人に広告を出せるという点で、ターゲットの絞り込みが非常に優れています。
さらに、リスティング広告の最大の強みは効果検証能力です。「広告をクリックして予約ボタンを押したのか押さなかったのか」という効果検証ができるため、最優先でやるべきツールになります。
検索のスタートがGoogleの人が圧倒的に多い中で、Instagramで集患っていうのは、優先度的には低いというのが私の主張です。
保険診療をメインとするクリニックであれば、費用対効果の観点から、Instagramに多くのリソースを割くべきではありません。


Instagramが「ものすごい効果を発揮する」目的とは
では、Instagramはクリニックにとって不要なのでしょうか?
いいえ、目的を変えればものすごい効果を発揮します。リソースを割くべきは、集患以外の二次的な目的です。
採用活動と安心感の醸成に特化する
私が考える、クリニックがInstagramを活用すべき最大の目的は採用活動と患者さんの安心感の醸成です。これらは、長期的なクリニック経営の安定に直結します。
「こういう職員さんがいるよ」とか「職場の雰囲気が分かるような感じ」であれば、新しい職員を惹きつける採用ページとして非常に有効です。
Instagramは採用ページぐらいの認識の方が、費用対効果は高まります。
- 安心感の醸成
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患者さんが「ここは信頼できるクリニックだ」と感じるような情報を発信します。



うまいなと思ったのは、製薬会社さんが定期的に勉強会を開かれるんですね。勉強会の雰囲気を待合室に皆さん座って、製薬会社の人がプレゼンしてる姿をパシャって撮って『日々勉強してます』みたいな感じであれば、患者さんが見た時、『あ、ちゃんと勉強してるんだな』と安心感に繋がりますね。
このように、日々の業務への真摯な姿勢や学びの雰囲気を伝える発信は、非常に効果があります。
わからない情報は製薬会社さんに聞いてしまえばいいので、情報作成の労力も少なく済みます。


効率的な運用と活用のヒント
職員さんの労働力を無駄にしないためにも運用は業務に支障がないペースで行い、費用対効果の低い集患目的には使いません。



職員さんの労働力をInstagramにやることが正解なのかっていうところに疑問があります。掃除してもらうとか書類整理してもらうとかそういうような時間に当てる方がいいんじゃないかなと私は思います。
集患が目的であれば、職員さんの時間を使うのは時給が発生している以上、費用対効果が悪い投資になります。
ショート動画と自費診療への応用
一方で、自費診療(自由診療)の内容でインスタの優先度を考えると、「高めていい」と思います。自由診療は広告規制が緩和されつつあり、Instagramとの親和性が高いからです。
特にショート動画は、Instagram以外にもTikTokやYouTubeショートなど、いろんなプラットフォームにコンテンツを出せるため、応用が効くという点でも非常に有効です。
運用コストはかかるため、外注も選択肢に入れてもいいでしょう。


ストーリーズによるリアルタイム情報活用
ストーリーズを使ったリアルタイムな情報発信も有効活用すべきです。
「今日開いてます」や「急遽出ました」といったリアルな情報を配信する。
「今日寒いので暖かくしましょうね」といった患者さんに寄り添う情報を配信する。
また、LINE公式と連携し、「最新の休診情報はInstagramで確認できます」と導線を引くことで、LINEの配信数(=コスト)を削減するという賢い使い方も可能です。
優先度を見誤ると生じるリソースの浪費
Instagramの投稿頻度は、始めたばかりであれば週に1回もしくは2週間に1回など、業務に支障がないペースが適切です。
しかし、多くのクリニックがこの「最優先ではないもの」に過剰なリソースを割き、結果的に損をしています。
保険診療における優先度の真実
保険診療をメインとするクリニックにとってInstagramの運用代行に費用をかけたり、職員の時間を割くことは、費用対効果が低いと断言できます。



私は前提としてInstagramは最優先でやるべきものではないというものがあるので、職員さんの労働力をInstagramにやることが正解なのかっていうところに疑問があります。
集患策として最優先でやるべきは、SEOやリスティング広告です。ここに予算と時間を集中投下し、確実な集患効果を検証することが経営安定への最短ルートです。


まとめ
クリニックのInstagram運用は、以下の結論に集約されます。
- 集患対策(保険診療メイン)においては、やらなくていい。職員の時間と金銭的なコストが無駄になる可能性が高いです。
- 集患対策として最優先でやるべきは、SEOやリスティング広告です。
- Instagramは、採用活動や患者さんの安心感の醸成という二次的な目的に絞って活用しましょう。自費診療であればショート動画などを積極的に活用し、効果検証を行うのが賢明です。
Instagramを始める前に、「その目的が本当に集患なのか、他に優先すべきことはないか」ぜひ立ち止まって考えてみてください。
この情報が、先生方のクリニック経営の安定に繋がることを願っています。









