クリニックの集患において、ウェブ広告は非常に重要な手段の一つとなっています。しかし、中には不適切な運用を行っている広告代理店も存在するようです。今回の記事では、クリニックが注意すべき広告代理店の特徴と、信頼できる業者を見極めるポイントについて解説します。
広告運用手数料の相場と現実の乖離
一般的に、ウェブ広告運用の手数料は広告費に対して20%から高くても30%程度が相場とされています。しかし、中には35%から50%といった高い手数料を取っているケースも存在します。
手数料が高いからといって必ずしも悪いわけではありませんが、なぜこれほど相場から乖離した手数料が発生するのか、その背景には「闇」が潜んでいる可能性も示唆されています。高い手数料を取る業者には、どのような特徴があるのでしょうか。
怪しい広告代理店の特徴
- レポートが不十分
- レポートに表示回数とクリック数しか載っていない。
- 本来重要なコンバージョン(Web予約ボタンや電話ボタンのクリックなど)の設定や計測をしていないため、レポートに反映されない。
- これにより、毎月広告費用をかけているにも関わらず、どの程度の効果があったのかが分からない1。なんとなく患者が増えた「かもしれない」という感覚に頼らざるを得ず、広告費用を継続すべきかの判断が難しい。
- 専門用語を多用する
- クライアントが理解しにくい専門用語(コンバージョン、CPAなど)を説明なく使う。
- これはクライアントの知識不足につけ込み、ごまかそうとする意図がある可能性も。
- 費用対効果の質問に曖昧に答える
- 「どういう風に費用対効果を出していきますか?」という質問に対し、明確な答えがなかったり、曖昧にごまかそうとする。表示回数やクリック数が多いことを成果のように語るが、これらはクリニックのウェブサイトに来ただけであり、費用対効果ではない。
- 会社形態でも不適切な運用が起こりうる
- フリーランスだけでなく、大手を含む会社でも上記のような不適切な運用が行われることがあります。
- 「〇〇円から」表示に注意
- 広告で「運用費3万円〜」といった表示を見かけたら要注意。実際の運用にはそれ以上の費用がかかる場合が多く、「から」以下の小さな表示(「〜〜」)に重要な情報が記載されている可能性があるため、しっかり確認する必要がある。
- 多重下請け構造
- 広告運用業務を複数の会社を経由して下請けに出すことで、手数料が上乗せされ高くなる一方で、実際に運用する業者は末端になり、報告がおろそかになるといった問題が発生することがある。真ん中の業者が何もせずに下に投げるだけ、というケースもあり得る。
なぜこのような代理店が存在するのか?
広告業界は比較的利益率が高い傾向にあることや、クリニック側がウェブ広告の専門知識に乏しい場合が多いことが、不適切な運用を行う業者が存在しやすい要因と考えられます。クライアントが分からないことを利用して「騙せてしまう」側面があります。
また、広告費の少ないクライアント(例:月10万円〜20万円)に対して、大手代理店では広告費の多いクライアント(例:月100万円)を優遇する傾向があり、小規模クライアントには経験の浅い担当者をつけたり、さらに下請けに出したりすることで、対応がおろそかになるケースもあります。
しかし、コンバージョン設定などをせず運用することは、運用者にとっては楽である一方、成果が見えないためやりがいを感じにくい。また、クリニックの開院資金など、責任の重い予算を運用するわけですから、費用対効果を出す設定をしっかり行うことこそが、クライアントからの信頼を得て「お願いしてよかった」と言われることに繋がる。真面目に成果を出そうとする運用者にとっては、不適切な運用は本質ではないと感じられるでしょう。
信頼できる広告代理店の見極め方
では、どのような点に注意すれば、信頼できる広告代理店を見つけられるのでしょうか。ウェブ広告の依頼契約前に確認すべきポイントは以下の通りです。
- コンバージョン(成果ポイント)を確認する
- 「Web予約ボタンのクリック」や「電話ボタンのクリック」など、クリニックにとっての最終的な成果地点をどこに設定し、それを計測するのかを具体的に確認しましょう。
- 業者側から「コンバージョン」という専門用語を使われたら、知っているか試されている可能性もあるので、注意深く対応しましょう。むしろ「どういう風にこの費用対効果を出していきますか?」という質問をする方が、業者の対応を見極める上で有効です。
- レポートで獲得単価(CPA)を把握できるか確認する
- 単に表示回数やクリック数を報告するだけでなく、設定したコンバージョンに対して、1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用(獲得単価、CPA)をレポートで確認できるかどうかが重要です。
- 獲得単価を具体的に話せる業者の方が、失敗は少ないと考えられます2。動画内では、発熱外来で1,000円前後、冬場のインフルエンザ流行期では200円程度といった具体的な獲得単価の目安も語られています(ただしケースバイケース)。
- 専門用語を避け、分かりやすく説明してくれるか
- 専門用語を多用せず、ウェブ広告の仕組みや成果を依頼主である医師やクリニックのスタッフが理解できるように、丁寧かつ分かりやすく説明してくれる業者が望ましいです。疑問点があれば遠慮なく質問し、しっかり理解できるまで説明を求めるようにしましょう。
まとめ
結論として、業者に騙されないためには、広告経由でサイトに来た人が予約ボタンや電話ボタンを押した回数を計測できる設定になっているか、そしてそのデータを基にレポートを提出し、獲得単価を把握できるようにしているかをしっかりと確認することが非常に重要です。
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